君津市鹿野山で大工をしてきた鈴木宗男さんにとって、材木を切り出すことができる周囲の山々は、「生業」のために必要な山であり、鈴木さんはその山を背にしてこれまで山とともに生活してきました。人の生活を支え、人と共存する山、鈴木さんはこれを「里山」と呼びます。
台風15号で、自宅の屋根が飛ばされてしまった鈴木さん。自宅も心配でしたが、夜が明けてすぐに大切な里山を見に行きました。倒木が多く大変な状況でしたが、鈴木さんは、大切な「里山」を甦らそうと決意しました。
以降、里山の魅力を伝えるために結成していた「きみつ里山活動ネットワーク」のスタッフとともに山の復興作業を行っています。努力の甲斐あって、当初は、4本中3本が通行不可能だった鹿野山への道も開通し、今では問題なく通行ができます。
「ここまで復興できたのも、君津市役所で集めてくれた多くのボランティアのおかげ」と、鈴木さんは感謝の気持ちも忘れません。
今後も里山活動が続くようにと、里山に関する講演会やシンポジウム「きみつ里山のにぎわい」を開催します。新型コロナウイルスの関係で2月29日の開催はできなかったものの、延期をしても開催を計画しているとのことです。
今は台風被害の経験を正しく分析し、今後に生かすことが大切だと鈴木さんは考えています。
“それでも里山は未来に向かい進む”というイベントタイトルに、鈴木さんの気持ちをうかがい知ることができます。